コンタクトセンターにおけるオムニチャネルとは?

コンタクトセンターにおけるオムニチャネルとは、音声だけでなくメールやSMS(ショートメッセージ)、SNSのチャットなど複数にまたがるチャネルで、シームレスに顧客の応対を行うことを指します。オムニチャネルでの応対は、主にクラウド型コンタクトセンタープラットフォームで実現可能です。これらのチャネルには、電話、チャット、メール、ソーシャルメディアなどが含まれます。また、オムニチャネルに対応しているコンタクトセンター(コールセンター)をオムニチャネルコンタクトセンターと呼ぶこともあります。

多くの場合、サービスを利用するユーザーは、そのサービスを運営する組織や企業と直接やり取りすることはありません。基本的にユーザーはアプリ、メール、カスタマーサービスへの電話などを通じてやり取りをします。その際にユーザーは、カスタマーサービスやチャネル間で一貫した体験ができること、そしてすべてのタッチポイントで対応履歴をサポート側が把握していることを期待しています。コンタクトセンターにおけるオムニチャネルは、このような多様化する顧客のニーズに応えます。

オムニチャネルの具体例

実際にカスタマーサービスのシーンで、オムニチャネルでの応対がどう役立つのかをみていきましょう。例えば、ネットショップで買い物をしているユーザーが、注文について問い合わせしてきたとします。ユーザーは、サイト上のチャットサポートに連絡をしてみますが、問題が解決しないため、オペレーターと通話したいと考えています。

その際、オムニチャネルコンタクトセンターのオペレーターとチャットしている場合、オペレーターは、電話に切り替え、チャットをさかのぼりながら確認し、すぐにユーザーをサポートすることができます。また、オンラインチャットの会話はアクティブなままなので、ユーザーが送信したテキストはそのまま残っています。

もしユーザーがチャネルをチャットから電話に切り替える必要がある場合、彼らはチャットを終えてから、電話をかける必要があります。その際、チャットのやり取りは電話対応をするオペレーターに提供されます。つまり、ユーザーは今までやりとりした内容を再度エージェントに伝えることなく、シームレスにサポートを受けることができます。

オムニチャネル化を実現するには

オムニチャネル化は、顧客満足度やCX向上を図る上で重要です。オムニチャネル化を実現するには、適切なテクノロジーが必要で、複数のチャネルでルーティングが可能な自動通話分配装置(ACD)もその内の1つです。

また、各チャネルからの問い合わせ数を予測し、それに対応するスキルを持ったエージェントを配置するワークフォースマネジメントシステムも必要です。オムニチャネルコンタクトセンターのエージェント向けツールは、チャネルに関係なく、顧客データと応対履歴をエージェントに提供する必要があります。これは、すべてのデータをクラウド上で管理できるクラウド型プラットフォームだからできることです。

オムニチャネルのクラウド型コンタクトセンターは、エージェントのスキルも考慮する必要があります。エージェントは、複数のチャネルからの問い合わせを同時に処理する能力が必要であり、エージェントにとってもシームレスな体験を提供する必要があります。このことは、オムニチャネルに対応したエージェントをどう採用し、トレーニングし、成果をモニタリングするかにも、関係してきます。

基本的なコールセンターからオムニチャネル対応のクラウド型コンタクトセンターへの転換に積極的に取り組む組織は、顧客満足度の向上において、高い成果をあげることが期待できます。これは、顧客体験を重視する現代において非常に重要なことです。

NICEがお手伝いできること

NICE CXoneは、オムニチャネルのクラウドコンタクトセンターなど、世界中のあらゆる規模の何千ものお客様に利用されている、市場をリードするコンタクトセンターソフトウェアです。CXoneは、企業がコンタクトセンターの運営を総合的に支援するために設計された、クラウドネイティブの統合アプリケーションスイートです。CXoneには以下の機能が含まれています。

オムニチャネル・ルーティング

デジタルおよび音声チャネルにおいて、エージェントがプロアクティブかつ生産的に顧客対応ができるよう支援するルーティングおよび応対管理機能を提供します。これには、着信呼自動分配(ACD)音声自動応答(IVR)、オムニチャネル対応、プロアクティブ・アウトバウンドダイヤラーが含まれます。

*関連製品:オムニチャネル・ルーティング

ワークフォース最適化

従業員の自己成長を促し、品質管理の効果を増幅してカスタマーエクスペリエンスを向上させ、労働力の効率化を促進することで、チームの潜在能力を引き出します。これには、ワークフォースマネジメント(WFM)、品質管理(QM)、レコーディング、パフォーマンスマネジメント(PM)などが含まれます。

*関連製品:ワークフォースエンゲージメント管理

アナリティクス

データの関連性、利用しやすさ、実用性を高め、計測可能な改善を推進し、顧客が受けるオムニチャネル体験を理解することで、洞察から結果につなげます。これらのソリューションには、インタラクション分析顧客調査レポートパフォーマンス管理などが含まれます。

*関連製品:CX分析

CXoneには、あらかじめ定義されたCRMインテグレーションと、市場のほとんどの主要なソリューションとのUCaaSインテグレーションも含まれています。これらの統合により、あらゆる規模の企業に対して、顧客体験を向上させることができる総合的なコンタクトセンターソフトウェアソリューションが提供されます。