次世代コンタクトセンターを実現するための4つのポイント

テクノロジーの進化や、消費者の行動変化とともに、コンタクトセンターのあり方や求められるも変わってきています。かつて、コールセンターといえば電話対応がメインで、必要なシステムもACDやIVRといった基本的なものが主でした。

しかし、採用難や高い離職率、業務負担の増加により、業務効率化や生産性の向上が課題となっています。さらに、企業の競争力を高めるためCX向上や、DX推進、AI活用など、コンタクトセンターが直面する課題は、より複雑になっています。そうした課題やニーズに対応するため、コンタクトセンターシステム自体もアップデートしていく必要があります。

ここでは、コールセンターが抱える多角的な課題にアプローチしつつ、CXを重視した次世代コンタクトセンターを構築するために必要なポイントや、具体的な機能をご紹介します。

次世代コンタクトセンターを構築するための4つのポイント

以下では次世代コンタクトセンターを実現するにあたり、どのような課題があるのか、またそうした課題を解決するためのコンタクトセンター機能をご紹介します。

1. スピーディーな問題解決

スムーズな動画再生、2時間以内のデリバリーサービス、1秒で膨大な検索結果を提示する検索エンジンなどのサービスにより、今日の消費者はあらゆるサービスにおいてスピード感を重視しています。コンタクトセンターも例外ではありません。消費者が抱える問題や疑問を素早く解決することが、求められています。

そのために、コンタクトセンターができることを以下で紹介します。

待ち時間と応答時間の短縮

ハブスポットによれば、消費者の90%が、カスタマーサポートにおいて、企業からの即時回答が「重要」または「非常に重要」であると回答しています。

サービスレベルを満たすには、呼量予測とオペレーターのシフト管理を最適化することから始まります。もしコンタクトセンターが、シフト管理や予測にエクセルを使っている場合、今こそガラケーをスマホに交換する時期です。最新のワークフォースマネジメントツールでは、呼量予測とシフト管理をより簡単かつ正確に行うことができます。

さらに、日中の迅速な調整が可能なため、予期せぬ変化に効果的に対応するために必要な柔軟性を提供します。これらを組み合わせた機能によって、適切な時間に、適切な数のオペレーターが配置され、待ち時間の短縮につながります。

また、そうした取り組みは、メールやチャットといったチャネルでも必要です。こうしたチャネルの場合、消費者はある程度のタイムラグを想定していますが、消費者の30%近くが、1時間以内に返信を受け取ることを期待しています。

一次解決率の向上

顧客に折り返し電話をかけるよう求めることは、迅速なサービスとは真逆です。迅速なサービスのためには、以下のような方法で一次解決率を上げる必要があります。

  • 最適化されたルーティング
  • 直感的で検索性に優れたナレッジベース
  • 本人情報や問い合わせ内容をオペレーターに引き継ぐセルフサービスシステム

2. 顧客のニーズに応じたサービス

顧客は、迅速なサービスを期待するだけでなく、自分の都合に合わせて企業と対話する利便性を望んでいます。ここでの利便性とは、選択肢を提供し、顧客が簡単に問題解決できるようにすることです。

解決率の高いFAQ作り

大半の人は、まず検索を通じてネット上で解決策を探します。よくある質問など網羅性に優れ、検索しやすいFAQを構築することで、顧客はすぐに答えを見つけることができます。こうしたFAQの利便性を意識することで、即時解決につながり、顧客満足度を向上することができます。

オムニチャネル対応

コンタクトセンターにおける利便性とは、消費者が自分が好むチャネルで好きな時に、問い合わせをできることです。例えば、緊急性の高い問題には電話で、あるいは、時間がある場合でリアルタイムでのコミュニケーションが難しい場合は、メールを送り、後で確認したいと思うかもしれません。ただ、オムニチャネルへの対応だけでは不十分です。オムニチャネルでのCX向上のためには、チャネル間のシームレスな連携が必要です。そうでなければ、チャネルを切り替える度に、本人確認やお問い合わせ内容を繰り返す必要があり、顧客に不満やストレスを与えます。

オムニチャネル対応を行う場合は、チャネルを追加できるだけでなく、チャネル間でのルーティング、オペレーターが複数のチャネルでサポートできる一元化されたオペレーターデスクトップなどの機能を考慮すると良いでしょう。

効果的なセルフサービス

ガートナー社の調査によると、70%の消費者が、問題解決でセルフサービスチャネルを利用していることが明らかになっています。しかし、セルフサービスを通じて実際に問題が解決したと答えた割合はわずか9%にとどまっています。

顧客自身の問題をうまく処理できれば、顧客と企業の双方の利益となります。セルフサービスを好む顧客は利便性を得る一方で、企業は応対あたりのコストを大幅に削減しながら問題を解決することができます。

セルフサービスの成功は、自動化対象となる予測可能で、ルールベースのタスクを特定することから始まります。優れたFAQや検索可能なナレッジベースは、すべての企業が提供すべき基本的なセルフサービスツールです。

セルフサービスを次のレベルに引き上げるために、AIチャットボット音声認識IVRの活用も検討しましょう。これらのツールは人間の言語と意図を理解することができ、通常のチャットボットIVRの能力をはるかに超えています。このような高度な機能によって、複雑な問い合わせへの対応や自然な回答が可能になります。また、セルフサービスで処理できる応対を増やすことで、呼量削減にもつながります。

3.解決につながるサポートを提供

これは当たり前のようですが、オペレーターの多くが新人である場合、実現するのは難しいでしょう。また、高い離職率が問題となっている場合、十分なサービスレベルの応対を提供することも難しいです。優れた新人研修と継続的なトレーニングは、オペレーターが知識を維持するために不可欠です。

機能性に優れたナレッジベースの実装

よく管理され、使いやすいナレッジベースは、オペレーターが顧客に満足のいく正確なサポートを提供するために必要な「開かれた教科書」となり得ます。

「解決につながるサポート」への期待は、セルフサービスツールにも当てはまります。優れたナレッジベースは、Webサイト検索、バーチャルオペレーター、音声認識IVRなどのソリューションからもアクセスでき、顧客が利用するすべてのチャネルで一貫した回答を提供できるようにする必要があります。

オペレーター支援で応対品質の向上

NICEのアテンド型RPAは、オペレーターのデスクトップ上での動きや、応対内容を読み取り、次に何を伝えるべきか、何をすべきかについて、文脈に基づいたガイダンスを提供するバーチャルアシスタントです。この機能は、経験の少ない新人であっても、ベテラン同様に優れたCXを提供できるよう支援します。

また、NICEのバーチャルアシスタントは後処理業務などバックエンド業務の自動化も可能なため、オペレーターは煩雑な作業から解放され、顧客との応対に集中することができます。

品質管理業務の効率化

AIを活用した品質管理機能は、オペレーターの応対をすべてモニタリング・分析し、スキルアップが必要な領域を特定するのに役立ちます。もし、アナログな手法で品質管理を行っている場合、こうしたAI活用による恩恵を大きく受けるでしょう。

4. オペレーターの満足度を高める

オペレーターには知識だけでなく、人間的な魅力も必要です。コンタクトセンターは、オペレーターが共感を示し、責任感を持ち、傾聴に堪能になるようにするなど、ソフトスキルのトレーニングをカリキュラムに組み込む必要があります。

リアルタイムでのガイダンス

AIを搭載したリアルタイム応対ガイダンスでは、電話での応対を聞き取り、その内容を分析します。このツールは、顧客とオペレーターの言動を分析し、より満足度の高いカスタマーサービスを実現するためのスキルを特定し、オペレーターを指導します。

例えば、顧客が大きな声で「頭にきた」などの言葉を発した場合、AIツールは顧客の感情がネガティブであると判断し、オペレーターがより共感を示すように促します。また、オペレーターが何度も顧客の話を遮っている場合、より良い傾聴スキルを使うよう指導します。

従業員満足度の向上

「オペレーターの満足は、顧客の満足につながる」と言われるように、グラスドアの調査では、従業員満足度と顧客満足度の間には、強い相関関係があることがわかっています。

<>最新のクラウドコンタクトセンターシステムは、一昔前のテクノロジーよりも使い勝手がよく、オペレーターが顧客をより良くサポートできるので、従業員満足度を向上させることができます。

一元化されたオペレーターデスクトップであれば、すべてのサポートチャネル、CRM、社内コミュニケーションツール、ナレッジベースなど、オペレーターが仕事をするために必要な機能が単一のツールに統合されます。

最新テクノロジーを搭載したクラウドコンタクトセンターソリューションは、従業員満足度を向上させるだけでなく、オペレーター本来の仕事をより充実したものにします。例えば、自動化とセルフサービスはどちらも、オペレーターが処理しなければならない雑務の数を減らし、より価値の高い応対に時間を当てることを可能にします。

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