ChatGPTと生成AI。チャットボットの新たな可能性

コールセンターでChatGPTはどのように活用できるのか。今回はチャットボットという切り口から、生成AIやChatGPTの活用法についてご紹介します。

ChatGPTを支える生成AIの技術は、あらゆる面でデータとの関わり方を根本的に変えるでしょう。ChatGPTは、特定の質問(いわゆる「プロンプト」)に対して、ユニークで一貫した文章を作成することができます。これは、オペレーター、従業員、顧客にとって、カスタマーサービスのあり方を大きく変えるものです。

生成AIは、リアルタイムでオペレーターとやり取りする場合でも、セルフサービスの場合でも、活用することができます。しかし、生成AIがすべてを解決してくれるとは限りません。以下では活用の際の注意点やポイントについてお伝えしてきます。

生成AIを活用する際の注意点

生成AIを使ったソリューションには、簡単に言えばガードレールが必要です。回答を有用で信頼できるものにするには、ブランドや企業独自のデータ(例えば、顧客とのやり取りにおけるベストプラクティスなど)に基づき、エンジンを訓練し、各ブランドに合わせた調整を行う必要があります。

AIは、質問に正確に答え、ブランドのガイドラインの範囲外のことや、商品やサービスと無関係なことに触れないようにする必要があります。

なぜチャットボットはうまくいかないのか

対照的に、従来のチャットボットは、ブランドの規定に沿った回答が容易に作成できる一方で、処理できるタスクは狭義で特定のものになりがちです。一方で、実際の顧客の質問方法は人によって様々です。例えば、「残高がいくらあるか知りたい」、「残高確認」など、同じ質問であっても、質問者によって違う表現が使われます。

特定のシナリオに基づいて設計されたボットは、理解できる質問に限界があります。これが、しばしばチャットボットがうまく機能しない、と感じてしまう理由です。

チャットボットにおける生成AIの可能性

生成AIは、こうした多様かつ複雑なコミュニケーションの問題を解決します。大規模な言語モデルを使用することで、文章がどのような言い回しであってもボットが理解でき、対話を時系列で追うことができるようになりました。ボットが質問の意図を理解し、人間のように会話できるようになるという発明は、チャットボットの問題解決能力をさらに強化することができます。

また、オペレーター、従業員顧客の視点から、ブランド固有の対話のデータを追加することで、ブランド固有の対話を行い、ブランドのガイドライン内で反応するようにAIを訓練することができます。

生成AIがチャットボットの能力を高める

自然な回答を作り出す生成AIと、ブランド固有のデータでAIを訓練することにより、チャットボットの能力をさらに高めることができます。

ブランド固有のデータで訓練し、最適なCX対話のために調整されたAIモデルを、継続的に学習し、大量の非構造化データから一貫した文章を作成できる生成AIと組み合わせることで、チャットボットを大幅に実用化し、はるかに快適なサービスを提供することができます。

生成AIにより、画一的な質問にしか対応できなかったチャットボットを、必要な情報を正確に提供する、会話型のセルフサービスポータルに変化させることができます。