顧客プロフィール
Sony Electronics Inc.(SEL)はソニー・コーポレーション・オブ・アメリカ(Sony Corporation of America、SONAM)の子会社であり、グローバルエ ンターテイメント企業として、エレクトロニクス、音楽、映画、モバイル、ゲーム、 ロボット工学、金融サービスまでを網羅する、多様かつ幅広い製品・サービスポ ートフォリオを有する世界屈指の総合エンターテインメント企業であるソニーグ ループの関連会社です。SELは、一般消費者向けおよび産業向けに幅広く製品 を展開するエレクトロニクス業界のリーダー企業であり、世代を超えて革新とイ ンスピレーションを与える製品を創りだしています。
- CXone
- Interaction Analytics
- Digital Experience
- Enlighten Autopilot
- CXone Feedback Management
による改善目標
- セルフサービスの成果向上
- コールのルーティング改善
- オペレーション効率の改善
- 顧客体験の向上
- バーチャルエージェント
- 顧客意図分析
- プロセス自動化
- オムニチャネルエージェントコミュ
ニケーション - 顧客の声(VoC
01 導入前の状況
グローバルブランドが目指すのは複雑性
排除と効率向上
世界最大かつ最も多様なブランドの1つであるSELは、顧客が常日頃から 自分たちのニーズに合った対応をしてくれる事業部門への問い合わせに苦 労していることを認識していました。このことは販売前および販売後のサ ービスにおいても顧客の不満や対応遅延を生み出し、さらには、本来であ れば別の部署が対応すべきであった問い合わせにオペレーターが対応し ていることもあって会社コストの増加要因にもなっていました。また、顧 客とのやりとりを通じて取得したデータのほとんどが、BPOベンダーによ って保管されており、顧客がまず接触することになるIVRシステムの管理 もBPOでした。顧客からのフィードバックを手作業でスプレッドシートに
集計していたため、社内共有による改善アクションリストの管理やフィー ドバック(顧客の声)の分析、顧客体験の調整が煩雑になっていました。
02 状況を打破したい
幹部主体の変革推進活動
SELは、トップマネジメントが中心となり、同社および競合他社の顧客体 験に関する評価のベンチマーク比較調査を委託実施。この調査により、セ ルフサービス機能、オペレーションの効率向上、顧客フィードバックの応答 率向上など、いくつかの改善の余地があることが明らかになりました。「私 たちには、ソニー製品は最高だという自負があります。だからこそ、当社の サポートで得る体験も最高でなければならないのです」と、SELでサービ
スツール・テクノロジー部門長を務めるRoger Brewer氏はいいます。
その後検討を経て、サービスチームはコールの呼量削減を第一優先に掲 げ、優れたオムニチャネルを活用してプロセスの初期段階でより精細な情 報を提供することで人間のオペレーターによる体験を効率化するところか ら着手しました。「これらすべての調査結果から私たちが関心を向けたの
はチャットボットの開発でした」と、Brewer氏はいいます。「これが、経営 陣の支持を得られる現実的で達成可能なROIを定義し、既存のリソース とスキルを最大限に活用できるソリューションだと考えました。」

私たちには、ソニー製品は最高だという自負があり ます。だからこそ、当社のサポートで得る体験も最 高でなければならないのです。NiCEと協力するこ とにより、当社はかつて目にしたことがないほど高 い顧客満足度評価を得ることができました。
サービスツール・テクノロジー部門長
Sony Electronics Inc.
03 ソリューション
よりスマートな顧客体験
NiCEと協力して、SELはCXone Digital Experienceワークフローで自社 のコンタクトセンターのCXを見直しました。「会社の優秀なオペレーター たちがいかなるインバウンドチャネルであっても対応でき、顧客フィードバ ックにリアルタイムに応答できるようにし、『どの会社も未だ到達してい ないところに果敢に向かう』ために、コールやチャット、SMSを効果的か つ一つのまとまった体験に結束させることが重要でした」と、Brewer氏はいいます。
新たに最適化されたデジタル体験を基に、SELはまた、革新的方法で チャットボットの構築に乗り出しました。SELが向かった方向は顧客の 意図の推量ではありません。その代わりに、NiCEの協力のもと、NiCE Enlighten XOで60,000件という過去のインタラクションの処理に踏み 切ったのです。AIを活用して、セルフサービスの改善可能性を見いだすた めでした。分析の結果、SELは顧客の問い合わせの約4割がオートメーシ ョンで対処できる内容であるという洞察を得ました。また、業務量とサー ビス提供コストを基に考える最善の可能性を優先順位付けするために、 同社のチームはEnlighten XOから得たROIデータを活用しました。
Enlighten XOから得た洞察を対話型AIで活用するため、SELは、あらゆ る問い合わせ の最初の窓口を担うバーチャルオペレーターとして機能す るEnlighten Autopilotを導入しました。現在では、Autopilotは人間のオ ペレーターの介入がなくとも非常に多くの問い合わせ件数に対応し、オペ レーターによるサポートが必要な場合であっても、効率よく顧客を一番適 切な担当者に割り当てられるまで進化しています。
Brewer氏が率いるチームは引き続き、テクノロジー製品の詳細情報 やビジネスプロセスの両面で社内の専門スタッフと連携しながら、 Interaction Analyticsで音声やSMSからの洞察を掘り下げて、オートメ ーションの次なる手段を見極めるために顧客意図の上位や重要な表現を 探り、オペレーターのワークフローに最新情報を展開しています。「最も 効率よく、最高の解決案をお客様に打診する新たな方法を探るための積 極的なアプローチです。そればかりか、将来の成功の推進につながりま す」と、Brewer氏はいいます。
チームは現在、メール調査だけに頼るのではなく、NiCE CXone Feedback Managementから得たVOCの洞察を基に行動を遂行し、 一つ一つのチャネルでのフィードバックを収集できるようになりまし た。その結果、応答率は40%以上も向上したのです。「Feedback Managementを活用することで、私たちはお客様の声を実に多く把握で きるようになりました。以前より精細さを増して、問題の種類やお客様が 体験しているよい面も収集しています」と、Brewer氏はいいます。
04 改善の結果
コールの呼量削減、顧客の洞察情報のタイ
ムリーな取得、そして過去一の満足度評価
達成
現在では初回の問い合わせすべてにバーチャルオペレーターを活用する ことで、15.9%以上の問い合わせがAutopilotやその他のセルフサービス オプションにより、うまく削減できているという結果が出ています。より 詳細な分析を行い、SELは全てのコールが最高の顧客成果に繋がること を確認する予定です。同社は現在、コールを入れる顧客を直接、その主な 用件・ニーズに基づいて、PlaystationやSony Musicといった別の事業 部門にコストゼロでシームレスに転送できるようになっています。顧客満 足度調査では、顧客は事例が終了した後に調査を受けるのではなく、よ り早い段階で調査に回答できるようになっています。SELはオペレーター のワークフローを見直し、オムニチャネルの洞察を基にしたより明確な顧 客の意図情報の把握や、質を高めたセルフサービスオプションの提供か ら着手し、また、情報が正しく伝達されたことを確認することでより効率 よく顧客の問題に対処しはじめました。この取り組みの結果、2023年度 の終わりには、顧客満足度評価はすべてのチャネルで大きく向上し、歴年 の最高記録を達成しました。「NiCEと協力することにより、当社はかつて 目にしたことがないほど高い顧客満足度評価を得ることができました」 と、Brewer氏はいいます。「そして私たちは、経営陣に向けた現実的な期 待値を設定することで、会社の体制が進化するにつれて成功の兆しを示 せると分かりました。」
オペレーターの記録した情報の分析が、よりスピーディでよりよい解決に つながる新たな自動化の可能性と質の高いワークフローをみいだすきっ かけになりました。「Interaction Analyticsは、その場その場での状況 の可視性を高め、具体的な品質評価を示します。その中で、顧客からのク レームや、私たちが通話内容を手動で確認しなければ、見つけだせなか ったかもしれない可能性を指摘してくれるのです」と、Brewer氏はいいま す。「NiCEは、適切な人材を集めて私たちの問題に素早く取り掛かり、解 決をサポートしてくれる点で非常に素晴らしいチームです。」
05 今後の計画
コール対応のさらなるワークフロー改善、
顧客フィードバックの効率化、より一層の
改善可能性の発掘
SELはInteraction Analytics、Autopilot、Feedback Managementを 組み合わせて活用することで、コール対応のさらなるワークフロー改善と
製品問題の潜在的な注意喚起の両面から顧客体験を改善するさらなる 可能性を見つけられると考えています。同社はまた、営業時間外の問い合 わせに対して、音声、チャット、またはSMSセッションを次に利用可能な 時間枠にキューに入れることができる、修正されたAutopilotのワークフ ローを展開する予定です。また、ソリューションはSELの求めに応じて、新 たなチャネルにすぐに拡大することが期待されています。「事業が新たな デジタルチャネルを必要とすれば、簡単に追加できると分かっています」 と、Brewer氏はいいます。
セルフサービス体験の向上のために、NiCE CXone Expertも検討されて います。「十分なナレッジベースソリューションを提供していないことで、ど のようなときに顧客が電話で問い合わせるのか、状況を探っているところ です」と、Brewer氏はいいます。「NiCEのエキスパートの皆さんは、私た ちが必要になるかもしれないものを開発し、先行して提案してくれる能力 があるようです。」