優れたコンタクトセンターシステムを使用している企業は、それが単に電話をかけ、人件費を管理するためのツールではないことを知っています。優れたコンタクトセンターシステムが一般的なシステムと違うのは、CXを向上させる機能です。

オムニチャネルでのルーティング、セルフサービスツール、AIを活用した分析機能などにより、企業は顧客にユニークでパーソナライズされたカスタマーサービスを提供し、顧客満足度とロイヤルティを高めることができます。

コンタクトセンターにおけるCXとは?

コンタクトセンターにおけるCX(カスタマーエクスペリエンス)とは、顧客がコンタクトセンターとのやり取りを通じて得る総合的な体験のことを指します。顧客が迅速かつ適切なサポートを受け、問題解決や情報提供などのニーズが満たされることが重要です。優れたCXを実現するためには、丁寧な対応や明確なコミュニケーション、効率的な問題解決が不可欠です。そのためにはスムーズなルーティングやセルフサービスオプションが必要です。優れたCXは顧客満足度やロイヤルティの向上につながるだけでなく、企業の競争力や収益性を高める要素となります。

CX向上の9つの取り組み事例

以下では、コンタクトセンターにおけるCX向上の9つの取り組み事例やポイントをご紹介します。

1. 顧客のニーズに応じたチャネルでの応対

アイスクリームの種類を見ればわかるように、消費者は選択肢の多さを重視する傾向があります。このような選択肢への欲求は、顧客と企業の関わり方にも及んでいます。今日のデジタルの世界では、人々はチャットやメールのような、日常のライフスタイルを反映したコミュニケーションオプションを望んでいます。適切なシステムを使うことで、こうした消費者の期待に応えることができます。

2. シームレスなオムニチャネル体験

優れたクラウドコンタクトセンターシステムでは、すべてのチャネルを統合することで、顧客がシームレスなオムニチャネル体験をできるようにします。例えば、メールから電話へとチャネルが変わっても、応対内容がチャネル間で引き継ぐことで、オペレーターはすぐに応対に取り掛かることができます。チャネルが変わったことで、問い合わせ内容や本人確認手続きをやり直すことにストレスを感じている顧客は少なくありません。シームレスなオムニチャネル機能を活用すれば、こうした顧客のストレスを取り除くことが可能です。

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3. 充実したセルフサービス

簡単な問題であれば、顧客は必ずしも電話で問い合わせすることを望んでいるわけではありません。むしろすぐに自分で答えを見つけたいと思っているでしょう。そうした要望に応えるには、Webサイトのヘルプ記事やFAQ、IVRなどのセルフサービス強化は欠かせません。高精度なAIチャットボットを利用すれば、決まったシナリオ以外の広範囲な問い合わせにも対応ができます。セルフサービスで重要なのは、顧客が必要とするサポート情報を網羅するだけでなく、オペレーターとの対話への切り替えもスムーズに行うことです。そのためには、チャットボットやIVRでの応対内容をオペレーターに引き継ぐ機能も必要になります。

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4. 年中無休でカスタマーサービスを提供

顧客の自己解決を促すセルフサービスを充実させることで、コンタクトセンターが休みの日でも顧客はサポートを受けることができます。顧客はコンタクトセンターの営業時間まで問題を抱えて待つ必要がなくなります。顧客がすぐに問題を解決できる体制を整えることで、呼量を減らし、オペレーターの業務負担を軽減することができます。同時に、顧客が自分ですぐに問題を解決できるため、CX向上にもつながります。

5. 最適なオペレーターとのマッチング

応対するオペレーターは、顧客体験を左右するため、すべての顧客を最適なオペレーターにマッチさせることが重要です。「最適なオペレーター」とは、経験年数が多いオペレーターや、物腰が柔らかいオペレーターという意味ではありません。問い合わせ内容に対して、深い知識を持っていることや、顧客の性格や嗜好に合ったコミュニケーションを提供できることを意味します。これらは、スキルベースに基づくルーティング(ACD)AIを搭載したルーティング機能によって実現可能です。

6. WFMで待ち時間を短縮

待つのが好きな人はあまりいないでしょう。しかし、オペレーターと会話するために、長時間待たされたりすることは今日のカスタマーサービスにおいて、珍しくありません。ワークフォースマネジメント(WFM)機能を活用すれば、高精度な業務量予測に基づき、最適な人員配置が可能になるため、待ち呼や放棄呼の削減に繋がります。さらに、オペレーターが手持ち無沙汰になる、といった状況も避けることができます。万が一、十分なオペレーターがいない場合でも、コールバック機能を利用すれば、電話を取れなかった顧客へのフォローができます。

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7. AIを活用し業務を効率化

人員不足で業務を効率化しなければならない、というのはコンタクトセンターにおけるよくある課題です。しかし、どの業務を効率化すれば良いのかわからない、そもそも担当のアナリティクス人材がいない、と途方に暮れてしまう場合もあるのではないでしょうか。AI駆動の分析ツールを使えば、自動化により大きな生産性向上が見込める業務の特定から、自動化の運用までをAIが担ってくれます。また通常の業務だけでなく、オペレーター評価や応対分析に至っても膨大なデータをAIが分析することにより、採用、マネジメント、応対品質管理といった分野での作業時間の短縮につながります。

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8. AI分析で顧客のニーズを先取り

顧客満足度アンケートは、CXを向上させるための貴重なリソースですが、AIを活用した応対分析を用いれば、効果的なCX改善が可能です。複数チャネルに渡る膨大な応対をすべてAIが分析し、コールリーズン、感情分析、コンプライアンス違反、さらには将来的に問い合わせ要因となりうる問題を予測することが可能です。さらに、分析に基づく改善を実施した後に、どれだけ効果があったのかを計測することも可能です。

9. パーソナライズされた体験

動画配信サイトやECサイトなど、パーソナライズされた体験は多くの人にとって一般的なものになっています。コンタクトセンターにおいても、パーソナライズされた体験は取り入れられるべきものです。CRMと連携することで、顧客が問い合わせた瞬間に、顧客情報がオペレーターのデスクトップ上に表示され、応対履歴や購入履歴などをオペレーターが参照できるようにすることで、オペレーターはすぐに応対を始めることができます。顧客は本人確認のための煩わしい質問に答えたりする必要はありません。パーソナライズされた体験は、問い合わせにおける顧客のストレスを取り除くと同時に、より高度なカスタマーサービス提供に繋がります。

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